面接の準備をしようとして、想定質問集を開いて、そっと閉じたことがあります。
100問並んでいました。全部に答えを用意するのは無理です。かといって何も準備しないと、当日その場で考えることになります。
結果から言うと、準備が要る質問は3つだけでした。残りは、その3つが固まると自動的に答えられるようになります。
詰まるのは、いつも同じ3か所だった
落ちた面接を書き出して並べたときに気づいたのは、これでした。
面接の質問は数十種類ありますが、言葉に詰まった場所は、毎回この3つのどれかでした。
新卒で入ったコンサルティング会社から投資会社へ、20代のうちに転職しました。前の仕事で毎日やっていたのは、相手の話を相手が使っていない言葉で整理し直す作業です。それなのに自分の面接では自分の言葉のまま話していて、詰まった3か所は、どれもそこでした。
- なぜ辞めるのか(転職理由)
- 弱み・空白・うまくいかなかったこと
- なぜうちなのか(志望動機)
逆に言えば、この3つ以外で詰まったことはほとんどありませんでした。経歴の説明も、やってきた仕事の話も、実際にやったことなので答えられます。詰まるのは、答えを「作らないといけない」質問だけです。
1. なぜ辞めるのか
詰まる理由
本当の理由をそのまま言うと不満の話になり、隠すと嘘くさくなる。この板挟みで止まります。私は最初、当たりさわりのない言い方を探して、結果的に何も言っていない答えになっていました。
直し方
過去の不満ではなく、次にやりたいことを主語にします。同じ事実でも、向きを変えるだけで答えになります。
(詰まる形)今の会社では裁量が小さく、決められることが限られていて……
(通る形)担当の範囲を決めるところから関われる仕事に移りたいと思っています。いまは決まった枠の中で動く形が中心で、その枠自体を考える側に回りたいと考えるようになりました。
どちらも言っている事実は同じです。違うのは、逃げる話になっているか、向かう話になっているかだけです。
嘘をつく必要はありません。不満は動機の裏返しなので、裏返して言えば、そのまま本当のことになります。
やらないほうがよかったこと
- 前職を悪く言う — 同じことを次の会社でも言うと思われます
- 人間関係を理由にする — 本当でも、確かめようがないため判断材料になりません
- 「スキルアップのため」で止める — 何のスキルを何に使うのかがないと、中身がありません
2. 弱み・空白・うまくいかなかったこと
詰まる理由
減点されたくないので、弱みを弱みでない形に加工しようとします。「心配性なところが、裏を返すと丁寧さです」のような答えです。私も言ったことがあります。聞かれた側からすると、質問に答えていないことが分かります。
直し方
この質問で見られているのは、弱みの中身ではありませんでした。自分の状態を正確に把握して、手を打てる人かどうかです。
なので、答えの形を固定します。
- 事実(弱み・空白・失敗を、加工せずに1文で)
- 影響(それで実際に何が起きたか)
- いま何をしているか(打った手。効果が出ていなくても書ける)
見積もりが甘く、締め切り直前に人を巻き込むことが何度かありました。作業を洗い出さないまま日程を先に決めていたのが原因です。いまは着手前に工程を分解して、いちばん読めない工程に余裕を置くようにしています。まだ完全ではありませんが、直前に人を巻き込む回数は減りました。
空白期間も同じ形で答えられます。事実、影響、いま何をしているか。隠すより、短く正確に言って次に進むほうが、時間の使い方として得でした。
3. なぜうちなのか
詰まる理由
ここがいちばん落ちました。答えが「その会社でなくても成り立つ」内容になっていたからです。
「成長している業界だから」「風通しの良い社風に惹かれて」。どれも本当のことですが、同業他社に置き換えても、そのまま通ってしまいます。
直し方
次の1文が言えるかどうかで判定します。
「この理由は、同業の他社に置き換えても成り立つか」
成り立つなら、まだ志望動機になっていません。置き換えたときに成り立たなくなる要素を、1つだけ探します。
- その会社が最近やめたこと・方向を変えたこと
- 同業と違うやり方をしている工程
- 採用ページではなく事業側の発信で語られている課題
1つ見つかれば十分です。そこに自分の経験を1つだけ結びつけます。
(例)御社は◯◯を外部に出さず社内でやっていると拝見しました。私も、外に出していた工程を社内に戻す立ち上げの時期を経験しています。手順が固まっていない段階での進め方に慣れているので、その部分で早く入れると思っています。
ここまで書けない会社には、まだ出さないほうがよかったというのが、私の実感です。書類の段階で同じことが起きている場合は、通る書類と通らない書類の、たった1つの違いもあわせて読んでみてください。書けないということは、その会社について調べきれていないということでもありました。私の場合、書けないまま出した書類は、ほとんど落ちています。
3つが固まると、残りは自動的に答えられる
「10年後どうなりたいか」「他社の選考状況は」「入社後にやりたいことは」。こうした質問は、上の3つを別の角度から聞いているだけでした。
転職理由と志望動機が固まっていれば、その組み合わせで答えられます。準備するのは3つ、使い回すのがそれ以外です。聞かれる側ではなく、こちらから聞く側の3つは逆質問で聞くことがない、をなくす3つの型に分けて書きました。
準備は「覚える」ではなく「1問だけ作り直す」
面接が終わったら、その日のうちに詰まった質問を1つだけ書き出します。全部を振り返ろうとすると重くなって続きません。1つだけです。
そして次の面接までに、その1問の答えだけを作り直します。私の場合は、これを繰り返すうちに詰まる場所が1つずつ減っていきました。
落ちた面接を分類する方法は落ちた理由を、5つの箱に分けるにまとめています。私はこれを始めてから、面接の手応えが変わりました。落ちる回数がゼロになったわけではありません。ただ、「今日はどこで崩れたか」が分かる状態になったので、次に何をすればいいかで迷わなくなりました。
注意していただきたいこと
これは私1人の経験にもとづくものであり、うまくいくことをお約束するものではありません。効果や結果には個人差があります。業界や職種によって、見られる点は変わると思います。
それでも、準備する場所を3つに絞ったことが、私にとっていちばん効きました。全部やろうとして何もできていなかった状態から抜けるきっかけになればと思います。
3つの質問の答えを、作る順番にしました
この記事で挙げた3つを含む、面接の想定問答50問と回答の型をまとめています。職務経歴書テンプレート、年収交渉スクリプト、落ちた理由の分類表もつけています。
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買い切りです。効果や結果には個人差があります。


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